要約 Viual Studio Codeの拡張機能 Cloud LaTeX Extension for Visual Studio Code を使ってCloud LaTeXとVSCodeを連携します. Cloud LaTeXのプロジェクトにあるファイルを,ローカルPCのVSCodeで編集できるようになります. Cloud LaTeX Extension for Visual Studio Codeは2021年4月3日現在開発中です. 導入背景 Cloud LaTeX はクラウド上で\(\LaTeX\)を使ってpdfファイルを作成できるサービスです.`.tex`ファイルを編集するエディタもウェブブラウザ上で動作します.長大な\(\LaTeX\)のプログラムをローカルPCにインストールせずに使うことができるのが利点です. Visual Studio Code は最も人気のあるエディタの一つで,様々なサービスとの連携や拡張性・カスタマイズ性の高さが特徴です. 気軽に\(\LaTeX\)を使いたい.そして`.tex`ファイルはクラウド上に保持したい.しかし備え付けのエディタではなくVSCodeを使いたい.そんな願いをかなえてくれるのが今回紹介する拡張機能です. この拡張機能を使うことで,ローカルPC上で編集したファイルをCloud LaTeXのプロジェクトに同期することができます.Cloud LaTeXでは`.tex`ファイルをコンパイルしてpdfを出力してくれるので,すぐにpdfで出力を確認することができます. 実際の手順 ステップ 1 Cloud LaTeXに登録 まずは公式ホームページからログインまたはサインアップします. メールアドレスから登録, facebook, twitter, googleアカウントとリンク のいずれかを選びます. 他のサービスと連携してアカウントを作成した人は別途パスワードを登録する必要があります. 一度ログアウトし,ログイン画面にある`パスワード再設定`をクリックして誘導に従ってください. ステップ 2 新しいプロジェクトを作成 ユーザーのマイページから`新規作成`を選択し,新しいプロジェクトを作ります. 今回は`Sample`というプロジェクトを作ります.プロジェクト名は任意の文字列で代替可能です. image::assets/images/cloudlatex/cloud-latex-new-project.png[] 次に,プロジェクトを開き,ブラウザのヘッダーからProject IDを読み取ります. urlの`/projects`以下の数字がProject IDです. この例では`343112`となっています.この値はあとで使うので別のテキストファイルなどにコピー&ペーストで一次的に保存しておきましょう. ステップ 3 クライアントIDとトークンを取得 右上のユーザーから`拡張機能`を選択します. パスワードの入力を求められるので,入力します. 次に`トークンを生成`をクリックします. Client IDとtokenもあとで必要になるので保存しておきます. ステップ 4 VSCodeに拡張機能を導入 VSCodeのサイドーバーの拡張機能のアイコンをクリックし,検索窓に`cloud latex`と入力します. `install`ボタンからインストールします. ステップ 5 ワークスペースを作成 Cloud LaTeXの拡張機能にはワークスペースが必要なので,なければ`hoge.code-workspace`という名前で空のファイルを作成します.`hoge`の部分は任意の文字列で代替可能です. 今回はCloud LaTeXのプロジェクトのファイル群を同期させるために`Cloud LaTeX`というフォルダを作成しました.その中に`hoge.code-workspace`というファイルがあります. フォルダ構成は Cloud LaTeX └─ hoge.code-workspace となっています. まずVSCodeで`Cloud LaTeX`というフォルダを開きます.このフォルダはワークスペースファイルよりも上の階層にあれば,どこでも良いです. 次に「ワークスペースを開く」で`hoge.code-workspace`を開きます. ステップ 6 拡張機能の設定 VSCodeの拡張機能が並んでいる左のバーから`CL`をクリックし,`Set account`をクリックするとメールアドレスを入力するバーが出ます. ここにCloud LaTeXで登録したメールアドレスを入力します.このときパスワードを設定していないとエラーになります. 次にClient IDを入力して`Enter`を押します.もし保存し忘れてしまっていたら,もう一度同じ手順で作り直してください. 次にtokenを入力して`Enter`を押します. 認証が成功すると右下にポップアップが出ます. 次に`Project setting`の`Workplace`タブにある設定を変更します. Cloudlatex: Enabled にチェック Cloudlatex: Project IDにプロジェクトIDを入力 変更するとリロードを促すポップアップが出るのでリロードします. 左側の`Project setting`が`Project setting (Sample)`となれば成功です. 反映されない場合は何度か`Reload`を押してみましょう. 成功するとCloud LaTeXというフォルダに,新たに figures main.pdf main.tex などのフォルダとファイルが作成されます. 同期できるかの確認 クラウドからローカル まずクラウド上で編集したファイルが同期されているか確かめましょう. Cloud LaTeXのサービスから,`main.tex`というファイルの35行目に文字列を加えました. クラウドで編集した後ローカルで`Reload`を押すと次のようになります. ローカルからクラウド 次にローカルで編集した箇所がクラウドに反映されることを確かめましょう. VSCodeの編集画面で`main.tex`というファイルの36行目に文字列を加えました. ブラウザをリロードすると次のようになります. まとめ この記事ではCloud LaTeXをVSCodeに連携する方法を紹介しました.これにより,.tex`ファイルをクラウドに保持しつつ,好きなエディタで.tex`ファイルを編集することができます. 注意 開発ページの README にある通り,開発中の機能です.重要なプロジェクトには使用しないでください.