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Asciidoc 構文解説

福田 | Aug 23, 2021
Asciidoc 構文解説

数学関連の記事を書くために最低限必要な構文です.

1. 文字装飾

Table 1. 書式一覧
修飾の名前 構文 表示 用途

太字

**bold**

bold

強調,用語の定義

斜体[1]

_italic_

italic

引用文献の名前,定理の名前

打消し線

[line-through#打消し線#]

打消し線

訂正

コメントアウト

//この部分は表示されない

表示したくないとき

2. 章・節の区分

章・節の区分
= Document Title (Level 0)

ページタイトル

最も大きい見出し

== Level 1 Section Title

見出し1
「章」だとおもって差支えない.

=== Level 2 Section Title

見出し2 +
「小節」だと思って差支えない.

2.1. 解説

空行を1行加えると段落とみなされる.(level 0 の下の文)
空行を入れないと,続きの文章とみなされる.(level 1 の下の文)
同じ段落で改行したいときは行末に+を置く.(level 2 の下の文)

3. 数式の利用

タイトル(level 0 要素)のすぐ下に,空行をはさまずに:stem:と書くと
\( \)でインライン,\[ \]で別行立ての数式を\(\LaTeX\)記法で入力できる.
:stem:の下の行に:eqnums: allとすると自動的に別行立て数式に番号を表示する.

ソースコード
インライン数式:\(F = ma\)

別行立て数式:
\[\notag
    \begin{align*}
        \left(\dfrac{1}{2}\right)\times \cdots  \times \left(\dfrac{1}{2}\right) \times \cdots = \lim_{n \to \infty}\dfrac{1}{2^n} = 0.
    \end{align*}
\]
表示例

インライン数式:\(F = ma\)

別行立て数式: \[\notag \left(\dfrac{1}{2}\right)\times \cdots \times \left(\dfrac{1}{2}\right) \times \cdots = \lim_{n \to \infty}\dfrac{1}{2^n} = 0. \]

3.1. 解説

このようにすることでlabel{}\ref{}が使え,自動で番号付けされ,リンクもつけられる.

番号を表示したくないときは\[のあとに\notagをおく.

4. 定理環境

初めての節(level 1 Section)の:dummy: {counter2:section:0}と記述し,節の初めに

:dummy: {counter2:section}
:num: 0

という文字をおくことで実現できる.詳細は述べない.(述べられない.)

:def-add: 定義 {section}.{counter:num}.
[#def_add.definition, title='{def-add}']
****
\(\Omega\)を標本空間とする.\( G \subset 2^{\Omega}\)で次の3つの性質を満たすものを\(\Omega\)の**加法族**という.

\[
    \begin{align}
        \Omega & \in G \label{def:certain}\\
        E \in G & \implies E^c \in G \notag\\
        E_1, E_2 \in G & \implies E_1 \cup E_2 \in G \label{def:additive}
    \end{align}
\]
****

<<def_add>>は重要.\((\ref{def:additive})\) を加法性という.
表示例
定義 4.1.

\(\Omega\)を標本空間とする.\( G \subset 2^{\Omega}\)で次の3つの性質を満たすものを\(\Omega\)の加法族という.

\[ \begin{align} \Omega & \in G \label{def:certain}\\ E \in G & \implies E^c \in G \notag\\ E_1, E_2 \in G & \implies E_1 \cup E_2 \in G \label{def:additive} \end{align} \]

定義 4.1.は重要.\((\ref{def:additive})\) を加法性という.

4.1. 解説

  1. :def-add:という部分でタイトルを指定する.

  2. :def-add:という部分のdef-addという文字列はなんでも良い.ただし,何を表しているのかわかりやすいほうがいいのでdef-hogethm-hogeなどのようにすることを推奨する.

  3. {section}という部分で節番号を表示する.

  4. {counter:num}という部分で連続した番号を表示する.

  5. #def_addという部分で定理環境のidを作成する.<< >>で参照すると自動でリンクが作成される.

  6. #def_adddef_addという部分はなんでもいいが,何を表しているのかわかりやすいほうがいいのでdef_hogethm_hogeなどのようにすることを推奨する.

  7. .definitionという部分はこの文字列でなければならない

    • 定義なら.definition

    • 命題なら.proposition

    • 証明なら.proof

    • なら.example

    • 定理なら.theorem
      などとする. その他必要なものがあれば実装するので行ってください.

5. 参考文献


1. 厳密にはイタリックと斜体は異なるらしい.参考: 斜体とイタリック体は違うのか